ELLE gourmetフードクリエイター部@リゾナーレ八ヶ岳ツアー♪
2日目は、「星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳」の提携ワイナリー「ドメーヌ・ミエ・イケノ」へ。
醸造家・池野美映氏が”自社栽培の葡萄100%で高品質なワインを作りたい”という思いから、2007年に畑を開墾し、2011年に醸造所を設立。
通常は一般公開されていない醸造所を特別に見学させていただきました。
醸造所内は撮影禁止なので、畑のお写真から。
八ヶ岳の麓、標高750mの「猫の足跡畑」
名前の由来は2006年の秋、池野氏が初めてこの地を訪れたときにたくさんの猫の足跡があったことから名付けられたそうです。
ワイナリーは3.6ヘクタールあり、3年かけて約7,000本の葡萄の樹を植えられたとのこと。
2007年は、南東の富士山側の広い斜面にシャルドネ、ピノ・ノワール、メルローを、2008年は、南アルプスを望む南西斜面にシャルドネ、ピノ・ノワール、メルローを、最後の2009年はそのさらに西側にシャルドネを。その比率はシャルドネ40%、ピノ・ノワール30%、メルロー30%。
畑は、南に富士山、南西に南アルプス、北に八ヶ岳を望む壮大な景色。池野氏はこの美しい景色に魅了され、この地にワイナリーを始められました。
程よい傾斜、晴天率が高く、日照時間も2,400時間と全国トップレベル。年間を通して昼夜の寒暖差があり、品質の良い葡萄ができるそうです。
八ヶ岳の自然をそのままボトルに詰め込んだようなワインを目指し、除草剤を一切使用せず、減農薬で葡萄を栽培。また、醸造方法も自然に逆らわない「グラビティー・フロー・システム」を導入。
グラビティー・フロー・システムとは醸造工程の中で、ポンプによる人工的な負荷を葡萄や葡萄果汁にかけず、自然落下によって行う醸造製法と設備の総称。
ポンプを使用せず重力のみを使用する為、時間と手間はポンプの3倍もかかるそうです。
全てにおいて手作業で行い、ラベルも糊で1枚1枚手貼りと1本1本大切に作られているのが伺えます。
葡萄の収穫が終わり、畑は休眠期へ。葡萄を凍害から守るために根元にふかふかの土を寄せて、白いカバーを被せて冬支度が完了。この土寄せをしているところは、日本ではここだけ。池野氏はブルゴーニュにいらっしゃったので、同じ方法で冬支度をされています。
畑には葡萄の搾りかすやもみ殻がまかれています。剪定した枝なども全て堆肥にされ、畑にまくそうです。
”畑から出たものは畑へ返す”
光、風、雨、土、昆虫、草など、葡萄畑にあるすべてをありのままに溶け込ませたような力強く、かつ優美な凛としたワイン。
畑を拝見し、ますます池野氏のワイン造りのこだわりを感じました。
なぜこの土地で、日本の品種である甲州とマスカット・ベリーAではなく、シャルドネとピノ・ノワールを作ったかのか?という問いに、池野氏は、「自分の作りたいワインだったから」と。
「自分の好きなことじゃないと続かない」確かにそうですね。好きだからこそ、手間を惜しまず、拘り抜いて良いものを作ることができるんでしょうね。
ワイナリーを訪れ、池野氏のワインに対する熱い想いに触れ、ますます池野氏の造るワインに興味が深まりました。
醸造所には、メルローが1つだけタンクに残っていて、プレスする前のものを見せていただきました。タンクの蓋を開けた瞬間、なんとも言えない優美な香りが広がり、これから15~18ヶ月じっくりと熟成させるとのこと。リリースになったら是非飲んでみたいです。
そして、前日のテイスティングで好きだった”月香 Chardonnay”
月香は、夜中2時過ぎから葡萄を収穫するナイトハーベスト。夜中に収穫することで酸がしっかりと残り、アロマや糖も保持することができるそうです。ナイトハーベストは2014年から始められたそうですが、とても好評で入手困難。
今回お話を伺い、ワインを購入して帰る予定でしたが、すでにワインは完売していて。
12月9日に”Chardonnay 2016”がリリースになるので、絶対にゲットしたいです!!